「Prima Giorno della Scuola (学校初日)」

イタリア生活初日の朝は、7時半に起床。
昨夜は、吸い込まれるように寝てしまったので、ほとんど意識しなかったが、
ものすごく暑い、なんて暑いんだろう、朝なのに暑い。
もちろんエアコンなど無いので、(でもこの下宿は、“首振り”扇風機があるだけ、かなり快適)
汗びっしょりになって起きる。それにしてもこんな暑さの中、よく寝た。よく寝れた。

8時半に同じ下宿にすむ日本人のYUKOさんに連れ立って学校へ初登校。
学校は、フィレンツェ中心(チェントロ)のギベリーナ通りという、後から知ったが、
由緒ある通りの古い建物の3階にある。
エレベーターはあるが、もちろん動かない。(動きそうな”気配”はあるのだけど)
語学学校は、午前に文法2時間、会話2時間の授業があり、
さらに同じ学校で午後アートコースをとりデッサンの勉強をすることになっている。

クラスはもちろん”ド”初級、「Primo Classe」。
クラスメートは、僕を含めて日本人3人と、メキシコ人の私リッチで賢いのよという女の子と、フランス人マダムの5人。
僕のRagazzaがあとから合流するので、計6人となる。

イタリア語の授業は、猛暑の中、首が折れてしまって下を向き続ける扇風機の中、和やかに進む。
授業はとても面白い。もちろんイタリア語だけで進む授業なので、札幌稚内なのだけれど、
内容はわからなくとも、とにかく先生のリアクションが見ているだけで、本当におもろい。

特に文法の先生のマリア。
身長は僕より大きく、太ってるのだけれど、太いというより”デカい”。
その巨体が、人間、クスリに頼らずにここまでハイテンションを続けられるのかという程、
すさまじい動きを伴いながら喋る。子供だったら絶対泣き出すくらい、とにかく大きく動く。
表情もすごい。
驚いたときは、マンガより眼が大きくなり、
「ぶぉ〜の〜〜」というときは、イタリア語の教科書に載っていたイラストより、指をほっぺたにぐりぐりする。
音もすごい。
眠い?って聞くときの、いびきのジェスチャーに伴う音は、
無呼吸症候群を感じさせるようなすごいいびきの音を出すし、
硬いという形容詞を説明するときには、硬い例として机をゴンゴンたたく。
ともかく、イタリア語がわからなくても、ジェスチャーにより、
驚くほどの情報量が得られる。イタリア語(イタリア人)ってすごい。とおもった。
でもその先生は、学校の中では大人しい(まじめ)なほうだったことに数日後気づくことになるのだ。

午後1時授業終了。やはり初日なので結構疲れる。

さてやっと昼休みだと思ったのもつかの間、アルテコルソは何時からと聞くと1時50分からという。
げ、あと30分くらいしかないやん。
どっか早く安くお昼が食べられるところが無いかと先生に尋ね、
近くの屋台でランペルドットという牛の胃袋の煮物(要するにモツ)のパニーノを食べる。
フィレンツェ名物ということだけあってうまい。3ユーロ。ちょい高いけど。

急いで学校へ戻る。
さて、いよいよアートコース。
語学学校がアートコースを併設しているので、お試しに2週間取ってみることにしている。
今度のイタリア滞在中に何とか絵を描けるようになりたい、
主な目的は、デザインのネタになるもののスケッチができるようになる、
ということで、中学校以来のお絵かき。
絵を描くことにちょっと苦手意識があるので前々からちょっと緊張していた。

先生はマウリッツォ(最初何度聞いても名前を聞き取れなかった)。
平均的体毛を持ち、平均的シャツ開襟(ボタン3個)、平均的体臭の標準的イタリア人男性だ。

最初の課題は、静物画。
先生のアドバイスも的確でしかも英語OKだからとても参考になる。
ちょっとした緊張&興奮状態で描いていると、あっという間に時間が過ぎ、
ゆっくりと3時間かけて丁寧に描いたら、何とか納得行く出来になる。
お。絵を描くのって楽しいぞ。

もう夕方の5時。先生とみんなにチャオチャオとさよならをいい、
学校を出るとまだ外は暑く日差しも強い。
時差ぼけもあって、体はふらふら。
バルで簡単にパスタとビールの夕食を食べ、
バスで何とか下宿にたどり着き、すぐに寝てしまう。長い初日が無事終わる。


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