今回は、フィレンツェの我が家の紹介。
下宿となるアパートは、フィレンツェのチェントロからバスで15分、
フィレンツェSMN駅から徒歩で20分ぐらいのちょっとだけ郊外にある。
留学の準備をしているときから、イタリアのアパート事情を調べる限り、よいニュースはまったく無かった。
部屋のハード面もさることながら、オーナーである大家とのトラブルに関して、
10人中18人までが、“信じられない”事件を経験しているとあり、
一番多いのが光熱費に関するトラブルで、例を挙げると、電気を消していない、
シャワーが長い、シャワーの回数が多い(イタリア人の平均は週1〜2回らしい)、
電話が長い、早く寝ない、等々、もちろん光熱費は使った分だけ基本的に支払うから、
特に問題は無いはずなのだが、電気代が異常に高い(らしい)イタリアでは、
イタリア人の“常識”的に、光熱費は徹底して節約するというものがあり、
それに反する行為自体が、大家の機嫌を損ねる、らしい。
さらにプライバシーという常識もイタリアにはあまり浸透していない(らしい)ため、
大家が留守の間に勝手に部屋に入るということも“常識”らしい。
で、イタリアには、すべての公共料金も合わせて、引き落としなどといったシステムが無く、
家賃の支払いに関しても、毎月大家の所へ“出向いて”支払う必要があり、
大家の所へ出向くイコール大家の愚痴を聞く(もちろんイタリア語で一方的に)、
というのが月に一回のイベントとして待ち受ける・・・
そんな話ばかり耳にしてきたため、ロシア入国並みのかなりの気合を入れてイタリアにやってきたのだが、
実際の大家のMsBonciは、拍子抜けするくらいに現代的かつインテリな人で、
しかもこのフィレンツェの家は、彼女のセカンドハウスで、いつもは北部のトリノに住んでいて、
月に1度程度、ホリディになるとフィレンツェのこの家に遊びに来るらといった具合。
で、そのセカンドハウスの2階部分の二部屋を学生に貸しているといった感じだ。
よって基本的に大家に会う必要もなし、その大家も英語が通じるインテリ、
ただ一方的にしゃべるあたりは、しっかりシニョーライタリアーノだけど。
というわけで、予想していた(恐れていた)大家とのトラブルは今のところほとんど無し。
(一回だけ、あまり冷蔵庫が冷えなかったので、パワーのダイヤルを5(最大)にしてたら、
ちゃんとチェックされ、「冷蔵庫は、3でちゃんと冷えるから」と釘を刺された。)
また唯一の同居人も、日本人の女性YUKOさんで、
大変思いやりのある人なので、お互い何のトラブルも無く、
これまで2ヶ月間過ごしてきている。
肝心の部屋だけど、僕らは2人住まいなので、部屋はDOPPIA(ダブル)、
ただしベットは2階建て。でも天井が高いのであんまり気にならない。落ちそうで怖いけど。
トイレバスは部屋の外だけど我々専用で、お湯もたくさん出て快適。
キッチンはYUKOさんとシェアだけど、たった3人なので、
冷蔵庫や私物のトラブルもまったくなし。コンロが電気なので火力に難ありといったぐらい。
家賃は、語学学校の斡旋なので、ロケーションからすると、一寸高めだけど、
光熱費込み、さらに2週に一度、シーツ・タオルの交換、部屋の掃除付き。
光熱費は、共同生活において一番トラブルが多いところなので、”込み”だとかなりうれしい。
ただ、部屋の掃除つきは、大家さんによる部屋のチェックを兼ねている気がするので、
掃除をしてもらうための掃除が必要なのが難点。
不満な点をあげれば、道路に面しているのでかなりうるさいこと。
特に夜中は、すべてのバイク、スクーターが、まるで怪獣に追いかけられているかのように、
とにかく全速力でけたたましく駆け抜けていき(しかもみんな”前傾”姿勢で、さらに15人に一人ぐらいは何かを叫びながら)、
ゴミ回収車(特に空き瓶の回収車)および道路清掃車は、
最初戦車でも来たのかと思ったほど、すさまじい音を立ててやってくる。
(夜中の2時か3時でもまったく容赦することなく)
この夏は、とにかく異常に暑かったので、夜は窓を全開にしなければならなくて、
この騒音にはかなり参った。
だけど2週間ぐらいで慣れて、あまり気にならなく(いちいち気にしてられなく)なった。
とまあ、多少の不満点はあるにしろ、今のところイタリアらしからぬ快適な下宿でかなり助かってます。
ただし。
この快適な下宿も、語学学校アレンジのアパートのため、9月いっぱいで引っ越さなければならない・・・
現在、手を尽くして部屋を探し中だけど、一体どうなることやら。
今度はたぶん典型的なイタリア式大家さんの典型的なイタリア式アパートになるような気が・・・
まあ、そうなったら、そうなったで、おもろい話のネタになるとは思うので、
まあ、いいかな。